月刊書字文化

~日本書字文化協会機関紙 No78~
令和2年(2020年) 5月号

 

◇警戒宣言延長―書文協の今後の対応
◇コラム・こころ(会長・大平恵理)
◇電話“面談指導”の試み
◇オンライン作文教室を全国に開放

一般社団法人日本書字文化協会(書文協)
本部 〒164-0001 東京都中野区中野2-11-6 丸由ビル3階
電話03-6304-8212 / FAX03-6304-8213
Eメールinfo@syobunkyo.org ホームページhttp://www.syobunkyo.org
付属書写書道専修学院
本部中野教室  本部に同
青梅教室  〒198ー0036 青梅市河辺町10-10-3 サンライズイトウ301

緊急事態宣言延長に伴う書文協の対応
書写書道の学びは止めず

緊急事態宣言を5月末まで全国一律に延長することが4日、政府から発表されました。今月14日をめどに解除が再検討されます。終息までの「新たな日常」を作り上げる必要が強調されました。また特定警戒地域(13都道府県)以外では、状況に応じて、営業・外出自粛要請も緩和されることが盛り込まれました。

基本は様々な工夫を凝らしながら、書写書道の学びを止めない、ということです。第3次世界大戦にも例えられる異常事態ですが、むしろこの中で「学び続ける」ことによって「生きる力」を生徒さんたちにつかみ取っていいただければ、と思います。生徒さんたちの健康を第一に、防疫体制を完璧にしたうえで実行します。中央審査委員、教場・教室の指導者の先生方はじめ皆様にはご協力、ぜひともお願い申し上げます。

ホームページのチエックを

方針を列挙します。6月8日(月)から、地域によって学校が再開されるなど正常化の方向に向かうことを想定しています。状況により変更がありますので、
書文協ホームページ  http://www.syobunkyo.org
1面の中ほど「新着情報」欄をチエックお願いします。

オンライン方式を活用

①オンラインを活用します。作品写メールと電話指導を組み合わせによるもので、動画方式のシステムは使いません。セキュリティ的にも安全であり、学校や家人のテレワークとのバッティングしない時間設定をします。
②特別段級認定試験(6月)、検定、ライセンス試験(5月)、検定事前添削指導コース等は予定通り実施いたします。
*方法については各教場・教室の実情にあわせご相談いたします。
書文協本部(電話03-6304-8212、Eメールinfo@syobunkyo.org)にお問い合わせください。

総合大会日程

③第9回全国書写書道総合大会は以下のスケジュールで実施いたします。

<ひらがな・かきかたコンクール>
応募期間:8月21日(金)~ 9月18日(金)
一次発表(特選、金・銀・銅賞):10月末
二次発表(特別賞、準特別賞=優秀特選):11月末

<全国学生書写書道展>
公募の部応募期間:9月18日(金)~10月23日(金)
席書大会実施期間:9月19日 (土)~10月18日(金)
発表:11月末

<全国硬筆コンクール>
応募期間:9月18日~10月23日(金)
発表:11月末
*総合の部も同時

④上記総合大会の中央審査会は11月第2週(8―14日)の間で調整します。

⑤優秀作品展示・表彰・交流会:12月6日(日) 於:東京
創立10周年記念会合も同時開催

⑥書文協創立10周年記念会:12月6日(日) 於:同所
*詳細につきましては月刊書字文化10月号(9月末ごろ刊行)で発表

⑦書文協付属書写書道専修学院
現在、オンラインによる添削・電話面談指導を実施しています。東京都内の学校再開と同時に中野、青梅教室とも対面授業を再開しますが、月1回のオンライン・電話指導、月例日曜講習会1コマ無料参加も当面残します。

⑧この添削・電話指導方式は、各教場に属しない他都府県在住生徒の加入を認めます。

書文協作文教室をオンラインで全国に開放

⑨文字・言葉と密接な書写書道の学びを活かすため開いている書文協作文教室をオンラインで開放します(有料)。
講師は書文協専務理事、谷口泰三(元新聞社編集委員・紙面審査委員、大学・短大文章表現講座講師)。
詳細は6ページ参照。

書写書道の学びを止めず、広げましょう

書文協代表理事・会長 大平恵理

先がよく見えない中で、このコラムを書いています。今日から5月。警戒宣言は全国一律に1か月程度伸ばされることが本決まりになったようです。6月から平常に戻れるならこんな嬉しいことはありませんが、その先どうなるのでしょう。この異常な世の中で、皆様も大変な思いで過ごされていることと思います。

しかし、書文協は、こういう非常時であるからこそ、書写書道の学びの灯は消さない決意でございます。「続ける力」を養うことこそが書写書道の学びの核心です。世界的に例を見ない難局であっても、学び抜いた、という経験を生徒さんともども得たいと考えます。

工夫したのはオンライン・電話指導でした。作品はメールで送信していただき、それを講師が添削して返送し、電話で指導するやり方です。幼児さんも含め、これである程度の効果が出るか、など課題は多くございましたが、予測以上に成果が上がっている、というのが書文協の総括です。指導の実が上がるだけでなく、休校でどうしても生活が乱れがちになるなかで「先生から電話だ!」ということが生徒さんの良い刺激にもなっている、とのお話も多くいただきました。

しかし、オンラインによる指導は、あくまで非常時の体制です。緊急事態宣言が解除され、学校が再開され次第、本来の対面指導中心の授業体制に戻します。ただ、今回の事態で進んだオンライン指導は、様々に今後も発展させて参ります。中野・青梅教室近辺でなくても書文協本部所属講師による直接指導を希望される人は書文協加盟団体との調整など厳選の上、地域バリアを超えて専修学院に受け入れることを検討してまいります。

また、書文協作文教室のオンライン添削を実施することとなりました。まず専修学院生を対象に実施、次いで小規模ながら全国の希望者対象に開始いたします。書写書道の学びは文字・言葉と密接な学びで、テキストもこれらの力がつくように工夫されています。これからの教育で求められる「考え、判断し、表現できる」学力を付けるのに格好の学びです。生徒・学生だけでなく、シニアの方々も是非ご応募ください。

書文協専修学院

効果あるオンライン&“電話面談”指導

書文協では、学校が一斉休校に入った3月初めから、対面指導を中止しました。その代わり、工夫を凝らしたのがオンラインによる指導です。メールで作品を送ってもらい、それを講師が添削して返信します。それだけでなく、講師が生徒の自宅に電話をし、その添削作品を基に指導、もう一度書き直します。

これは硬筆も毛筆も同じ。ほぼ月3回のペースで行います。事前に、電話面談指導の希望時間を登録、本部でそれを3人の講師で調節します。

受付希望時間は午前10時から午後9時ごろまでと相手のペースにあわせ幅を取っています。1回の時間は人により異なってきますが、実質の電話応答時間は30分ぐらいでしょうか。指導を受けてから生徒が書き直し再び送信するまでの時間は含まれていません。

個別指導の極致“電話面談”

同時会議方式の動画システムを使っていないのは、システムにセキュリティなどの問題が指摘されているだけでなく、メールによる作品の送受信を基に、電話による生徒との直接対話を加えれば、指導の実が着実に上がることからです。

電話によるやり取りを、あえて“面談指導”と呼んでいるのは、顔と顔を突き合わせた面談に近い効果があるからです。「少人数、個別指導」は書文協のモットーですが、1対1の電話面談はその極致です。

メール作品添削にも工夫

さすがにIT時代。多くの生徒が作品写真のメール送信ができるのは助かりました。幼児・小学校低学年は保護者の手を煩わせることになりますが、テレワークで保護者が家にいることも多いので、手伝ってもらえます。

担当講師は3人。1日に10人近い電話面談をこなすこともあり、なかなかの重労働です。やり方は講師それぞれが工夫を凝らしていますが、携帯で送られた作品の写真に講師が指導のために注意を指でなぞり書きする工夫も(写真)。 
以上、書文協のオンライン指導の概略をお伝えしましたが、これは講師3人態勢だからやれる、などの制約があろうかと思います。しかし、今後の一つの参考としてご意見をお待ちします。

オンライン作文教室を全国募集

書文協付属書写書道専修学院では、文字・言葉と密接な書写書道の学びをさらに活用するため、学院生対象に作文教室を開いています。文字に対する感受性を高め、語彙を豊富にし、さらには表現力のある生徒を育てるためです。この「言葉の力」は、教育の世界でとても大事な能力として評価が髙まっています。書文協では、学院生に対し作文教室をオンラインで開放しましたが、学院生以外にも開放することにしました。募集要領は以下の通りです。

①3週間に1回、与えられた作文テーマをメールで出稿してもらいます。1週間以内に添削し、評点、注意したいポイント、次回テーマを返信します。月に1回、添削を受ける勘定になります。書文協メールアドレスは info@syobunkyo.org です。
②作文テーマは、書文協発行の書写書道検定テキストからとることがあります。その場合は、テキストのない人には参照部分を送信します。
③今回の募集は、書文協会員団体所属生、個人会員の方を対象とし、先着順に30人までを受け付けます。それ以外の方は、相談メールをお送りください。
④申し込みには、住所、名前、性別、在学生は学校名・学年を明記して下さい。個人情報は安全に管理されます。
⑤月謝は2,000円です。申し込まれた方に、書文協納付先を連絡します。

<書文協作文教室とは>
書文協作文教室の主任担当は書文協専務理事、谷口泰三です。大学・短大で文章表現講座を受け持った経験を活かし作文教室を開いています。毎週月曜日の18:00から本部教室で開くか原稿用紙に記載した作品のやり取りをしていますが、目下はオンラインのみでの開催としています。
今後は、このオンライン作文教室を広げていきます。

専修学院初回テーマ案内

一足早く、専修学院生を対象にオンライン作文教室が始まりました。第1回(4・30)に送信されたテーマを公開します。参考にしてください。学院生にはシニアもたくさんおられますが、これは小学低学年から大学生を一括対象にした表現になっています。一般・シニアは別送です。
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4・30オンライン作文テーマ
書文協オンライン作文教室にようこそ参加してくれましたね。ほとんどの子は作文が嫌いです。あなたもそうかな。親が申し込んだのかもしれませんね。でもラッキーでした。これで「作文を書く」という扉を開くわけですから。入試などに役立つほか、ラブレターを書く、などの大事なことにも作文の力は大切です。「文は人なり」。作文を書くことは自分を高めることにつながります。
最初から、ややこしいことを言うのはやめましょう。「自己紹介」のテーマでまずは書いてみてください。字数は、この字数以内、というものです。その9割は書きましょう。小学校低学年なら400×0.9で360字は書いてください。

字数初回テーマ
◆小学低学年(1,2年)400自己紹介
◆小学中学年(3,4年)600自己紹介
◆小学高学年(5,6年)800自己紹介
◆中学1,000自己紹介
◆高校1,200自己紹介
◆大学1,400自己紹介

<原稿を書く上の注意>
自己紹介というのは、自分のことについて書くことです。年齢、学年、性別のほか、好きな食べ物、嫌いな食べ物、得意な科目、嫌いな科目・・・。これらを全部書きなさい、というのではありません。他の事だけでももちろん構いません。あなたを知ってもらうために、自由に書いてください。

~以下は気が向いた時に、しっかり読んでください。次回以降も添付します。~
(小学生の皆さんには少し難しいかもしれません。我慢して読んでくださいね)

原稿を書く上の注意
・この作文教室では主に「作文」を書いてもらいます。文章には「作文」と「小論文」があります。作文は自分の感想を文につづるものです。カラスは白い、と思ったら、自分はどうしてそう思うのかを自由に書いてください。「小論文」は、カラスは黒い、黒は見えにくい、だから夜のカラスは見つけにくい、というように論理的に書きます。「小論文」は時々書いてもらいます。
・「作文」で大事なのは「自分の思い」です。いつも物事をよく考えるようにしてください。
・考えた上で、それを文章にするのは意外と難しいものです。どうしても構えてしまいます。自分の思いを素直に書くには、恥ずかしい、というような思いを持たないことです。これを「自己解放」する、と言います。
・以上のことから「文は人なり」と言われています。文にはその人がどんな人か、出てしまうわけです。良い作文を書くには、自分を磨くことが大切だということです。